会社設立後の諸手続き

会社設立の登記が完了した後には、以下の税務上の届出、社会保険上の届けが必要となります。税務上の届出には、必須の届出と特定の制度・方法を選択するための届出があります。

税務上の届出

税務署への届出書
法人設立届出書 会社が設立されたことを税務署に届け出る書類です。税務署所定の用紙に必要事項を記入して提出します。提出期限は会社設立から2ヶ月以内です。法人設立届出書には、会社の謄本、定款のコピー、株主名簿または社員名簿、設立時の貸借対照表、本店所在地の略図などの書類を添付する必要があります。
給与支払事務所等の開設届出書 給与を支払うべき従業員を雇っている会社にのみ必要とされる手続きです。提出期限は設立の日から1か月以内です。
源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書 給与の支払いに関しては、源泉徴収を行い、毎月納税するのが原則です。但し、従業員が10名未満の会社である場合には半年に一度、税金をまとめて納めることが出来る制度があります。これを源泉所得税の納期の特例の承認といい、従業員が10名未満の会社であればこの制度を申請書の届出により利用できます。
青色申告の承認申請書 青色申告は、欠損金の5年間の繰越控除、税務署による推計課税の禁止、試験研究費が増額した場合の特別控除等、通常の申告に比べて税務上のメリットが大きい制度です。ぜひ手続きをすべきでしょう。提出期限は会社設立の日以後3か月経過日と最初の事業年度終了日のうちいずれか早い日の前日までです。
棚卸資産の評価方法の届出書 決算期ごとの商品の在庫をどのように評価するかを税務署に届け出る書類です。提出期限は最初の事業年度の確定申告書の提出期限までです。届出書で選択しない場合は、最終仕入原価法となります。棚卸資産をどう評価するかによって利益に影響する場合もありますので慎重に決定する必要があります。
減価償却資産の償却方法の届出書 年々消耗していくような資産をどのように評価するかを税務署に届け出る書類です。提出期限は最初の事業年度の確定申告書の提出期限までです。届出書で選択しない場合は、定率法(建物は定額法)となります。減価償却資産をどう評価するかによって利益に影響する場合もありますので慎重に決定する必要があります。
消費税課税事業者選択届出書 資本金1000万円未満の会社は、当初2年間は消費税の納税義務者に該当せず、消費税の申告・納付が必要ありません。しかしながら、設備投資等で消費税の支払が、売上等で受け取る消費税よりも多くなる会社では、あえて消費税課税事業者選択届を提出して課税事業者となり、消費税の還付を受けることが可能です。届出の期限は、新設法人に関しては最初の事業年度中となります。この届出を提出すると最低でも2年間は、課税事業者となりますので、本当にこの選択をすべきか、慎重な見極めが必要です。
消費税簡易課税選択届出書 資本金1000万円以上の会社は、当初2年間は売上金額にかかわらず課税事業者に該当し、消費税の申告・納付が必要となります。原則は、売上に係る消費税から仕入れに係る消費税を控除することにより納付すべき消費税を計算します。しかし簡易課税では、売上に係る消費税の一定割合(10〜50%)を納付すべき消費税とすることができます。この簡易課税によれば、消費税の計算等は非常に簡易になりますし、納付すべき消費税を原則的な方法よりも節減できることもあります。届出の期限は、新設法人に関しては最初の事業年度中となります。この届出を提出すると、最低でも2年間は簡易課税が適用されますので、本当にこの選択をすべきか、慎重な見極めが必要です。なお、簡易課税を選択できるのは、基準期間(原則2事業年度前)の売上高が2億円(H16・4・1以降に開始する事業年度では5000万円)までの会社となります。新設法人は、基準期間には事業活動がなく売上が0となるため、簡易課税を選択できます。

市町村役場および県税事務所への届出(東京23区以外の場合)
法人設立等届出書 会社が設立されたことを県税事務所および市町村役場に届け出る書類です。各県、各市町村の所定の用紙に必要事項を記入して提出します。提出期限は会社設立から1ヶ月以内です(自治体よって異なります)。添付書類は、会社の謄本、定款のコピーとなります。

都税事務所への届出(東京23区の場合)
事業開始等届出書 会社が設立されたことを都税事務所に届け出る書類です。都税事務所の所定の用紙に必要事項を記入して提出します。提出期限は会社設立から15日以内です。添付書類は、会社の謄本、定款のコピーとなります。


社会保険上の届出

労働基準監督署への届出
労働保険保険関係成立届 会社を設立して従業員を一人でも雇用した場合には労災保険(労働者災害補償保険)と雇用保険の適用が義務付けられます。労災保険とは従業員がケガをした場合に給付が受けられるもので、雇用保険とは従業員が失業したときに給付が受けられるというものです。この2つを総称して労働保険と呼びます。労働保険保険関係成立届とは、この労働保険の適用を受けるために事業者が提出する届出書です。労働保険険関係成立届の提出期限は従業員を雇用した日の翌日から10日以内です。届出書の提出の際に、会社の謄本、従業員名簿、賃金台帳、出勤簿の提示が必要となります。
概算保険料申告書 労働保険では、保険料の概算額を前払いすることになります。新規に保険関係が成立した会社は、保険関係の成立の日から50日以内に申告・納付が必要です。

ハローワークへの届出
雇用保険適用事業所設置届 会社を設立して従業員を一人でも雇用した場合に、雇用保険の適用が義務付けられます。雇用保険適用事業所設置届とは、この適用を受けるための届出です。適用事業所設置届の提出期限は、従業員を雇用した日の翌日から10日以内です。なお、ハローワークへの届出は、労働基準監督暑へ労働保険保険関係成立届を行った後になることに留意してください。届出書の提出の際に、労災保険の保険関係成立届(労働基準監督署の受付印のあるもの)の提出のほか、会社の謄本、従業員名簿、賃金台帳、出勤簿、被保険者証(雇用事業者が以前雇用保険の被保険者であった場合)の提示が必要となります。
雇用保険被保険者資格取得届 資格取得届とは、雇用保険事務所で働く人が雇用保険の適用を受けられるようにするため、事業者が届け出なければならない届出です。会社を設立して従業員を雇用した場合は、雇用保険適用事業所設置届と同時に届出します。

社会保険事務所への届出
新規適用届
新規適用事業所現況書
被保険者資格取得届
被扶養届
預金口座振替依頼書
病気やケガで医者にかかる場合に給付が受けられる健康保険、介護に備える介護保険、老後の生活保障を受けられる厚生年金の3つを総称して社会保険と呼びます。会社の場合は、その規模にかかわらず、すべての事業所で社会保険の加入が義務づけられています。提出期限は、いつまでといった明確な期限は定められてはいませんが、事業を開始しましたら、すみやかに手続きを済ませる必要があります。新規に適用を受ける場合には、左記の社会保険事務所所定の届出のほか、会社の謄本、賃貸借契約書のコピー(事務所が賃貸である場合のみ)、出勤簿、労働者名簿、賃金台帳、源泉所得税の領収書が必要となります。

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